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【ちゃんと描いてますからっ!】のあらすじと感想:「ダメ父親と健気でマジメな娘の物語」ではありません

ヒューマンドラマ・日常

今回紹介するのは、星里 もちる さんの【ちゃんと描いてますからっ!】全4巻・完結です。

 

締め切り前に逃げ出してしまう漫画家の父親と、作画作業のほとんどをやることになってしまった姉妹の物語。

 

ダメ父親にスポットが当たりすぎて挫折してしまう読者が多いみたいだけど、ちょっと視点を変えて読めば、最後にはホッコリすること間違いなしです。

 

 

ネタバレを含みますのでご了承ください。

 

【ちゃんと描いてますからっ!】のあらすじ

締め切り前になると逃げだしてしまう漫画家・平原 大地(ひらはら だいち)

いつからか 大地 の長女・中学2年生の 歩未(あゆみ)と次女・小4の 空(そら)が、原稿の仕上げを描くようになった。

このことを知っているのは、家族とアシスタントの あかね だけ。

 

大地 は、お笑い芸人で言うと「ビビる大木」くらい有名な漫画家で、編集さんと打ち合わせしながら面白いネームを完成させてしまう才能を持つ。

サイン会を開けば行列ができるくらいファンもいる。

 

けれど、大地 ではなく自分が原稿を描いていることに後ろめたさを感じる 歩未。

そんなとき、歩未 が想いをよせている 堤先輩(つつみせんぱい)が 大地 のファンだと知って・・・

 

 

【ちゃんと描いてますからっ!】の感想

  • 大地 が逃げ出してしまう理由を考えてみた
  • 漫画家という職業に興味があるなら楽しめる
  • 歩未、マジメすぎない?

 

大地 が逃げ出してしまう理由を考えてみた

すぐに逃げ出すダメ父親にスポットが当たりすぎて、挫折してしまう読者が多いみたいです。

「娘虐待漫画」「どこが面白いのかわからない」って感想ももっともだと思う。

だってこの作品、読者を選ぶと思うから。

 

なんで 大地 は逃げてしまうのか

それにはちゃんと理由があるはず。

 

まず、原稿の仕上げは娘たちがやるけど、ネームはちゃんと 大地 が描いていることで、「絵を描くこと」だけがネックになっているのが読み取れます。

 

1巻・6話と7話、2巻・13話で、大地 が 歩未 にコンプレックスを抱いていることがわかります。

「なんて幼稚な!」って思うかもしれないけど、プロからしたらショッキングなんじゃないかなと思うのです。

 

2巻・9話では、歩未 が原稿を描くことになったきっかけが描かれています。

このときに、大地 は 歩未 の才能を見抜いてたんでしょう。

歩未 が描いた方がイイ作品になると思ったんだと思う。

 

4巻27話でやっと、大地 が漫画を描かなくなった原因がわかります。

ダメ親父にイライラしてる読者にしてみたら、インパクト弱いですよね。

「そんなんだから描けなくなるんだよ」「だったら努力しろよ」

そう言いたくなる人の気持ちわかります。

 

でもスランプって、そう簡単には抜け出せないと思う。

今までは「描くことが楽しかった」のに、「描くことが楽しくなくなった」って、プロの漫画家からしてみたら大問題でしょう。

 

そんなときに発覚した、歩未 の才能。

大地 の立場になって考えてみたら、「なんか切ないなぁ~」なんて私は思ってしまったのです。

 

いっそのこと「原作・大地、作画・歩未」にしちゃえばイイのに。

なんて思いながら読み進めてたのですけど、3巻・21話以降を描くためにあえてそうしなかったのですね。

 

漫画家という職業に興味がある人なら楽しめる

【ちゃんと描いてますからっ!】は、「すぐに逃げ出すダメ父親と健気でマジメな娘の物語」ではなくて、漫画家という職業漫画です。

 

6話で漫画がコミックス化される工程。

2巻・12話でアシスタントの仕事。

3巻・15話で一つの作品を作るのにたくさんの人が関わっていること。

3巻・16話で打ち合わせの内容とネームの描き方。

8話で漫画の映像化が持ち上がり、20話で漫画家に対する世間の評価。

4巻からはネームから漫画を描き上げるまで。

が描かれています。

 

最初はイヤイヤ漫画を描いていた 歩未 だけど、堤先輩 と関わることで自分も漫画家になりたいと思うようになります。

 

いざ本格的に始めてみれば、それがいかに大変なことなのか、原作と小説の違いとか、とにかく4巻は読んでてゾクゾクしました。

 

3巻・16話で、打ち合わせに付き添った 歩未 が思いついたアイディアを口にします。

その時の 大地 のセリフ

「おまえの考えたどうでもいいようなネタは、思いついた側からいや、思いつく前から却下なんだよ。

それがプロというもんだ!黙ってろ!」

 

「娘が父親の代わりに原稿を描いてる話」だから商業漫画になるのであって、アシスタントが代わりに描いてる話だったらボツでしょ。

それに、「漫画家がネームから原稿完成までを描いた職業漫画」なんてたくさんあるしね。

 

歩未、マジメすぎない?

堤先輩 に「平原 大地先生 が原稿書いてる姿を見てみたい」って言われ、「生原稿を見せれば?」って提案に

「先輩 に あたし が描いたもの見せて誤魔化すなんてできない」って言うシーン(1巻・2話)があるんだけど、

 

「いやいやアナタ、毎回 アナタ が描いたものが雑誌に載ってるんですよね?

担当さんには原稿見せてたよね?

他の人には騙してるのに 先輩 には騙せないってズルくないかい?」

って思ったのです。

 

「父親がクズすぎて笑えない」って感想があるけど、私は逆に「歩未 は頭カタすぎてマジメすぎっ!」って思っちゃう。

 

「原稿描いてくれないと生活できない」と言いつつ、他人にはお金を払わせないところとか。

でも、4巻・最終話を読んで、「あぁ、そっかぁ、やられたぁ~!」って思ったのです。

 

 

【ちゃんと描いてますからっ!】のあらすじと感想:まとめ

歩未 の才能にだけでなく 堤先輩 のことに対しても嫉妬する 大地。

でも、歩未 のためにわざわざ 堤先輩 に会いに行ったり。

歩未 のことだけじゃなく、空 のこともちゃんと見てる。

 

漫画を描いてる 大地 が好きな 歩未。

漫画を描いてる 歩未 が好きな 空。

 

ただの職業漫画じゃなくて、家族愛もしっかり描かれてるんだよね。

そして最終回で普通の中学生になれた 歩未。

 

読者を選ぶ作品かもしれませんが、ちょっと視点を変えて読めば最後にはホッコリすること間違いなしです。

 

 

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